東芝の株主も市場も舐めたIRにイライラ

 

長年にわたる粉飾決算で炎上中の東芝が「二度目の決算発表延期」を8/31(月)に発表しました。

東芝の粉飾会計は「期間の長さ」「金額の大きさ」などから影響は非常に大きいものです。

かつ、間違いなく日本を代表する企業である東芝による粉飾決算ということで、コーポーレトガバナンス改革元年とも言われる中、市場の信頼を著しく損なった罪も非常に大きいと言えます。

二度目の決算発表延期をリリースするのが遅過ぎるのでは?

先述の通り、二度目の決算発表延期がリリースされたのは8/31(月)です。

この8/31(月)が決算発表の予定日(期限)でした。
#そもそも一度決算発表日を延期した上で設定された期限です

その期限に間に合わなかったのです。

私が東芝のIRが株主や市場を舐めているとしか考えられないのは、この二度目の決算発表延期を公表したタイミングが遅過ぎるとしか思えないためです。

遅過ぎると考える理由

以下は東芝による8/31リリースからの抜粋です。

要するに、
・8/27(木):連結税引前損益の再計算完了
・8/30(日):監査法人に提出
というスケジュールです。

そして監査法人から「監査完了までに7日程度を要するものと見込まれる」旨の連絡を受けた、と。

2015 年8月 18 日に公表いたし、その後、税金費用の計算、連結財務諸表等の作成を行い、本日、訂正した過年度の 有価証券報告書等及び第 176 期有価証券報告書を提出する予定でした。しかしながら、その後に、複数の国内・海外子会社において会計処理の適切性について調査が必要となる事象が新たに発生し、

〜〜〜中略〜〜〜

連結税引前損益の再計算が必要となり、その確定が8月 27 日まで 遅延し、税金費用の計算等、連結財務諸表等の確定が予定より遅れることとなりました。このような事情により、当社として連結計算書類、計算書類及びその附属明細書を完成して独立監査人に提出したのが、8月 30 日となりました。また、訂正した過年度の有価 証券報告書等及び第 176 期有価証券報告書については現在作成中です。独立監査人からは、監査完了までに7日程度を要するものと見込まれる旨の連絡をいただいております。

出典:東芝のリリース「第 176 期有価証券報告書(自 2014 年 4 月 1 日至 2015 年 3 月 31 日)の提出期限延長(再延 長)に関する承認申請書提出に関するお知らせ」(PDF)

ここで問題は「監査完了に要する期間」なんて監査法人側は想定していたはずで、その期間については
・東芝側は監査法人に確認しているはず
・監査法人側は東芝に伝えているはず
です。

1)確認を怠っていた場合

仮に、東芝も監査法人(新日本監査法人)共に、この監査に要する期間、要はスケジュールについて確認を怠っていたのだとすると、東芝も新日本監査法人も事の大きさ・深刻さを理解していないことになります。

東芝単体で言えば、上場廃止の危機ですし、さらに市場の信頼をさらに損なう事態です。

万一、東芝と新日本監査法人の間で確認が行われていなかったとしたら論外です。

2)確認が行われていた場合

そして、十中八九、東芝と新日本監査法人の間でスケジュールの確認・調整は行われており、8/30(日)に監査法人に提出しても8/31(月)に間に合わないことは、少なくとも連結税引前損益の再計算が完了した8/27(木)の時点で分かっていたこととしか思えません。

8/31(月)の期限に間に合わないと分かっていたにもかかわらず、すぐにリリースせず、期限日の市場が閉じた後に発表するといういい加減さ。

株主のことも市場のことも舐めているとしか思えません。

この点は、ZUU onlineの記事「東芝、土壇場で混乱増幅 トプコン株を売却 悪材料出尽くし!?」でも以下の記載があります。

東芝については、ギリギリで発表しなくても、先週28日(金)には判っていたはずでその時点で発表すべきだったとは思います。

東芝の白々しいコメント

以下は、8/31(月)に東芝のリリースからの抜粋です。

本気で「再延長を申請するという前代未聞の重大な事態を発生させましたことを、極めて深刻に受け止めており」なら、二度目の決算発表延長を8/31(月)の夕方にリリースするはずはないのではないでしょうか?

当社は、重大な不適切会計処理問題を発生させたばかりか、2か月という異例の延長申請の許可をいただいた有価証券報告書の提出期限について、再延長を申請するという前代未聞の重大な事態を発生させましたことを、極めて深刻に受け止めており、株主、 投資家及びステークホルダーの皆様に改めてお詫び申し上げますとともに、全社を挙げてこの事態に真摯に対応してまいります。

出典:東芝リリース「第 176 期有価証券報告書(自 2014 年 4 月 1 日至 2015 年 3 月 31 日)の提出期限延長(再延 長)申請に係る承認のお知らせ」(PDF)

私はこのコメントが白々しく思えてしまい愕然としました。

東芝の今後

東芝の今後のスケジュールですが、仮に、9/7の期限に有価証券報告書を提出できなかった場合、さらに8営業日後の9/17までに提出できないと、東京証券取引所の上場廃止基準によって上場廃止となります。

内部告発が相次ぎ、修正が発生しているという報道もあり、ずるずると延期、延期、延期、、、とならないか懸念されます。

新日本監査法人としても、これまで粉飾決算を見逃してきた責任を考えると、半端な決算に適正は出せないでしょうし、上場廃止も全く現実味がない懸念とは言えないのかもしれません。

さっさと退場してもらった方が市場の健全さは逆に示されるのかも、、、と思ってしまうこの事態が残念です。

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