会社を辞めて個人事業主になる前にやるべき7つのこと
会社を辞めて個人事業主になる前にやるべきことを整理してみました。(ほぼ私の経験談です)
1)クレジットカードの見直し
2)事業用銀行口座の開設
3)住宅ローン
4)キャッシュフロー(資金繰り)の計算
5)キャッシング、カードローンの申込み
6)会計(簿記)の勉強
7)節税方法の調査
1)クレジットカードの見直し
個人事業主になるといわゆる信用力が落ち、クレジットカードを新規に作りづらくなります。(審査落ちしやすくなります)
実際、私も個人事業主になってからクレジットカードに申し込んだところ、審査落ちしました。
個人事業主になってからのクレジットカード審査落ち経験談はこちらをご覧下さい。
会社員時代は、ゴールドカード関連の案内が何度も来ていたのですが、普通のクレジットカードに審査落ちしました、、、
よく事業用と個人用でクレジットカードを別けるようにと指南されるサイトを目にしますが、別けようにも審査落ちしていては別けられません。
また、事業用の出費もかさむため、クレジット払いの金額も会社員時代より増える傾向がありますので、利用限度額の観点からも少し余裕を見てクレジットカードを整理するのが望ましいです。
なお、クレジットカードの新規申込みは、普通に比較サイトやカード会社から申込みをするのではなく、アフィリエイトのセルフバックという仕組みを利用した方がお得です。
例えば、A8.netのセルフバックでは、三井住友VISAカードに申込んで契約すると6,000円がアフィリエイト報酬として「自分に」帰ってきます。
#金額は時期によって異なります。
追記:ANAカード(アメックスゴール)の審査通過しました
追記:楽天カードの審査通過 – 個人事業主でも即日発行
関連サイト:
・個人事業主にオススメのクレジットカードはAMEX(アメックス)(外部リンク)
・個人事業主のサブカード(外部リンク)
2)事業用銀行口座の開設
これは個人事業主になった後、つまり会社を退職した後でも可能なのですが、忘れない内にさっさと済ませましょう。
#屋号を用いる場合で、銀行口座の振込名にも屋号を用いる場合は個人事業主の開業届提出後になります。
事業用銀行口座を開設する理由は、
・外部に出す「振込先」を個人用と別けるため
・会計ソフトで入力している普通預金の残高と実際の預金残高をチェックするため
です。
例えば、昔から使っている預金口座(出身地の地銀など)を都内で働いているにも関わらず振込先として指定するのは、少し恥ずかしいです。(都市銀行でも地方支店の口座だと同様です)
#これをどう感じるかは人それぞれですが
また、個人用の銀行口座を事業用と兼用すると、会計ソフト(弥生会計、勘定奉行、freeeなど)で記帳した結果である普通預金の残高と実際の口座残高が一致しないため(個人利用の入出金がある)、会計ソフトでの記帳・仕訳が正しかったのか、最後のチェックが出来ません。
そのためにも事業用銀行口座の開設をオススメします。
なお、屋号付き銀行口座を開設できる銀行として有名なのは「楽天銀行(旧イーバンク銀行)」や「ジャパンネット銀行 ビジネスアカウント」等です。
関連記事:
・個人事業主が事業用の銀行口座を持つメリット
・個人事業主向けのネット銀行口座(セキュリティ万全のジャパンネット銀行)
3)住宅ローン
住宅ローンは絶対に企業に勤めている内に組みましょう。
特に上場企業に勤めている場合、金利優遇がある場合もありますので、なおのこと絶対に会社員の内に住宅ローンは組んで下さい。
4)キャッシュフロー(資金繰り)の計算
会社を退職して個人事業主になる場合、
・支払サイクル(月末締めの翌月末払い など)
・最初の売上計上月
・個人事業主になることで必要な出費(プリンタ購入、名刺作成・印刷 など)
・社会保険料(健康保険は会社員時代の約2倍)
・住民税(収入がなくても住民税の督促はきます)
などを考慮して、キャッシュアウトしないか?を確認する必要があります。
特に、営業・購買・経理部門などを経験していない場合「支払サイクル」の観点が抜けがちかと思います。
通常、給与は、
・前月16日〜当月15日分を当月25日払い
・当月1日〜当月末分を当月25日払い(一部先行)
・前月1日〜先月末分を当月10日払い
など、労働と現金収入が比較的連動しています。
しかしながら、企業対企業(個人事業主を含む)の取引では、ある月に行った業務の報酬支払は翌月末、または翌々月末となる事がほとんどです。
エンジニアの場合、システムを納品して、クライアントが「検収」して初めて売上げが立ち、その翌月末または翌々月末に支払が発生する場合もあり、システム開発&検収に3ヶ月間を要する場合、最長5ヶ月間も現金収入がない可能性もあります。
(会社員時代は、納期3ヶ月のプロジェクトでも労働の対価として毎月給与が振り込まれているので、そのこでギャップが発生する可能性があります。)
なお「翌月末払い」か「翌々月末払い」かは、取引先次第です。
どんなに仕事があって忙しくても現金収入が長期間発生しない!というケースがあり得ますのでご注意ください。
5)キャッシング、カードローンの申込み
多くの方は会社員時代、キャッシングやカードローンを利用した経験はないのではないかと思いますが、個人事業主の場合、不測の事態や上述の4)で述べた現金収入発生までの運転資金のためにどうしても現金が必要になる場合があり得ます。
#運転資金を銀行から借りるなど、個人事業主、特に開業当初は不可能に近いです、、、
そんな事への保険としてキャッシングやカードローンを事前に契約しておく事をオススメします。
なお、個人事業主になってしまうと途端に信用力が下がり、利用限度額が10万円なんて結果に陥ったりします。(特に開業当初、確定申告の数字もないので)
#このカードローン申込みは、個人事業主の信用力を試す実験で私自身が実際におこなってみました。その時の体験談はこちらです。結論は、アコムで限度額10万円という結果でした、、、
参考記事:個人事業主の信用力 – 消費者金融編
「作るだけならお金はかからない」ので、保険として、キャッシング、カードローンの契約をしておくのも一手と思われます。
#ご利用は計画的に!!!
6)会計・簿記の勉強
初めから税理士と顧問契約を結んで、請求書や領収書などの証憑を毎月または年に一度郵送して記帳も全てしてもらって、確定申告の資料も作成してもらうとしても、最低限の会計・簿記の知識は持っておくべきです。
理由は、
・そもそも顧問契約する税理士の良し悪しの判断が全く付かない
・経費として認められる支出を自分の勝手な判断で除外してしまう危険性がある
ためです。
税理士と一言で括っても千差万別、
・節税のことしか助言してこない税理士
・安価な代わりに事務作業として処理する税理士
(実際は、簿記1級や2級合格者や税理士の科目合格者が対応)
・節税に繋がる助言を全くしてくれない税理士資格取得の公認会計士
などがいます。
特に事務作業として工場のように処理をこなす税理士事務所の場合、「こんな領収書はありませんでしたか?」などとわざわざ気を効かせて聞いてくれない可能性があります。
(彼等は、1人で数十社を担当しているケースもありますので、、、)
自分に合った税理士(料金にも直結)を選択するためにも、最低限の知識として、簿記3級、欲を言えば簿記2級(商業簿記のみ)くらいは勉強しておく事をオススメします。
実際に簿記の試験を受けて合格する必要は一切ありませんので、手頃な簿記の参考書などを一冊手に入れればOKです。
7)節税方法の調査
例えば、個人事業主では、実際に個人事業主として開業する前に要した費用(営業に要した接待交際費など)を「開業費」という繰延資産とすることが可能です。
この繰延資産である「開業費」は任意償却が認められており、初年度に全額損金とすることも可能です。これにより、課税所得を下げて節税効果が見込めます。
ただし、当然ながら、開業費として認められるためには、領収書が必要ですので、事前に意識して開業するのに要した支出に関しては領収書を取得・保管することが必要です。(開業後にこの事を知っても、後の祭りです、、、)
#個人事業主の開業費については以下をご覧ください。
・個人事業主になる前に知っておきたい「開業費」
・個人事業主の開業費の仕訳方法(国税局に確認済み)
このように節税方法を自分で調べておくことは非常に重要です。
なお、開業費のような繰延税金資産、任意償却などの話は簿記3級レベルを超えるため、個人事業主として開業するまでに要する費用が多い場合は特に、税理士と早目に相談を開始することもオススメします。
+α:保険の見直し
7つのことと記載しておきながら、、、ですが、保険の見直しもしっかり検討しましょう。
会社員時代に加入していた厚生年金と個人事業主になってからの国民年金では、老後の年金だけでなく、万一亡くなった際の遺族年金は、厚生年金加入者と国民年金加入者では大きく異なります。
国民年金から出る遺族基礎年金は、子供が18歳までしか支給されませんが、厚生年金から出る遺族厚生年金は、妻が受け取る場合は子供が18歳になり遺族基礎年金がストップされた後も、支給されます。
参考記事:盲点が一杯:個人事業主・フリーランスの保険の選び方
以上、ほぼ経験談による「会社を辞めて個人事業主になる前にやるべき7つのこと」でした。
関連記事:
・個人事業主になる前にやるべきこと番外編
・個人事業主として独立・開業する際の7つのオススメサービス
・意外に悩むフリーランスの名刺
・フリーランスの名刺に自宅住所は載せるか?
・個人事業主:開業手続き書類まとめ(開業届など)
・個人事業主・フリーランスの印鑑
・節税って意味あるの?
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