THEO(テオ)のリリース内容は恣意的 – 89%が投資ほぼ未経験者?

 

お金のデザインが提供するロボアドバイザー「THEO(テオ)」のリリース内容が余りにも恣意的で目に余ります。

THEOのサービス開始、一周年記念で「THEOってどうなの?」というコンテンツが公開されました。

特に
・89%が投資ほぼ未経験者
・81.4%のユーザーが+6.0%以上の収益率を確保
の2点です。

何が恣意的なのか?を以下でご説明します。

THEOのユーザーは、89%が投資ほぼ未経験者?

下図をご覧ください。

THEO(テオ)のユーザー属性:89%が投資ほぼ未経験者

「89%が投資ほぼ未経験者」と記載されています。

お気付きですか?

「ほぼ」です。

何が「ほぼ」なのか?

「*ほとんどない、ある程度 の合計」という記載があります。

続いて下図をご覧ください。

THEO(テオ)のユーザーの投資経験内訳

THEOユーザーの投資経験内訳です。

そもそも
・ほとんどない
・ある程度
・豊富にある
の3種類しかありません。

「全くない」が存在しません。

■そもそも「投資ほぼ未経験者」に「ある程度」が含まれるの?

投資経験について「ほとんどない」「ある程度」「豊富にある」の3種類の場合、「投資ほぼ未経験者」に「ある程度」が含まれるのに違和感を感じないでしょうか?

「ある程度」投資経験があると回答した方は、自分が「投資ほぼ未経験者」に分類されたと知ってどう感じるのか?

お金のデザインが「THEOは今まで投資に関係なかった人を惹きつけている」とアピールしたい事が見え見えです。

■「全くない」を除外する狡さ

投資経験を尋ねる場合、何故「全くない」が存在しないのか?

「ほとんどない」という表現は非常に曖昧な分類です。

お金のデザインが「本当の意味での投資未経験者」の割合を公表したくない、THEOは「投資(ほぼ)未経験者」に利用されているロボアドバイザーだとアピールするために除外している意図を感じます。

■結局、THEOの利用者の大部分は投資経験有り

非常に嫌味な表現をすると「ほとんどない」=「全くないわけではない」ため、THEOのユーザーの100%が投資経験者とも言えます。

もちろん、これは嫌味です。

ただ少なくとも投資経験「ある程度」「豊富にある」の2つを合算した「54%は投資経験有り」です。

また「ほとんどない」回答者46%の一部も、実際には何かしらの投資経験があることと想定すると、THEO利用者の60%〜80%程度が投資経験者なのではないでしょうか?

#もちろん自分自身の「投資経験」をどのように捉えるかは人それぞれ、非常に主観的な基準ですので、この数字にどの程度の意味があるかという根本的な疑問はあります。ただ、THEO(お金のデザイン)が「投資未経験者、投資初心者が利用するロボアドバイザーです」とアピールするために使い始めた数値です。

81.4%のユーザーが+6.0%以上の収益率を確保

下図をご覧ください。

THEO(テオ)の81.4%は6.9%以上の収益率を確保

「81.4%のユーザーが+6.0%以上の収益率を確保」と明記されています。

この数値だけ見ると「お〜、凄い」となります。

ただ、補足があります。

THEO(テオ)の81.4%が6.0%以上の収益率を確保:その補足

「2016年12月1日 基準日の円建てで見た収益率データ」です。

THEOが投資する商品は海外ETFです。

それも主にNYSE(ニューヨーク証券取引所)またはNASDAQ上場のETFのため、基本的に米ドル建てで投資されています。

そのため「円建て」で評価する際、必ず「ドル円の為替レートの影響」を大きく受けます。

具体的には、円安ドル高に進むとドル建てで運用しているTHEOの資産は、円建て評価額が上向きます。

そこで、THEO(テオ)がサービス開始した2016年2月14日から収益率算出の基準日である2016年12月1日までのドル円チャートを確認してみました。

THEOのサービス開始日から収益率算出基準日までのドル円チャート

実は、THEOのサービス開始後、大きくドル円は円高ドル安に進んでいました。

そのため、ドル建て評価額がプラスでも円建て評価額ではマイナス続きでした。

この点につては「ロボアドは為替リスクに要注意 – 円高で大損」でも記載しました。

ただ、米国大統領選後、急激に円安ドル高に振れています。

上図を見れば明らかですが、THEOのサービス開始以降にTHEOで運用開始した場合、大部分は2016年12月1日時点では、円安ドル高によって為替で評価額がプラスになるはずです。

この点は「ロボアドバイザー投資の始め方」で公表されているTHEOの運用パフォーマンスを見るとよく分かります。

例えば直近の「THEOの運用実績を公開:+11.17%(2017年3月1日)」では円建て評価額のグラフが以下の通り公表されています。

THEO(テオ)の運用実績(ロボアドバイザー投資の始め方)

一目瞭然です。

THEOの円建て評価額は、
・2016年4月の運用開始後、2016年11月半ばまで基本的にマイナス評価
・円安ドル高が大きく進んだ2016年11月半ば以降はプラス評価
となっています。

つまり、2016年2月にサービスをスタートさせたロボアド「THEO(テオ)」にとって、2016年12月1日時点の収益率がプラスになるのは「為替を考慮すれば当然の結果」と言わざるを得ません。

もちろん、為替の影響も含めて「投資」「運用」ですので、結果としてプラス評価である点は額面通りに受け止めれば良いと考えています。

ただ、ドル円相場のチャートを見ると「円安ドル高のピークに近い」2016年12月1日時点で収益率を算出している点に恣意性を感じます。

例えば、
・THEOの利用ユーザー数は2017年2月13日時点のデータ
・投資経験は2017年1月25日時点のデータ
・投資金額も2017年1月25日時点のデータ
です。

2017年2月1日時点のデータで集計するのは困難だったにしても、2017年1月1日時点のデータで集計は可能だったのではないでしょうか?

THEO(お金のデザイン)にとって非常に都合が良いタイミングでの評価・収益率です。

この点も恣意性を感じています。

#2016年12月1日時点でプラス評価が大きかった点を否定する意図は一切ありません

THEOのリリース内容は嘘はないが恣意性が強過ぎる

THEOのリリースは嘘ではありません。

しっかりと注釈も記載されていますし、データについては基準日も明記されており非常にクリアです。

ただ、流石に「ある程度」投資経験があると回答した個人投資家まで「投資ほぼ未経験者」に分類する等、定義が曖昧な部分を自社に有利な解釈に寄らせ過ぎです。

投資家の資産を預かり、かつ投資一任契約に基づく運用まで行うロボアドバイザーを提供する金融機関として、このような情報公開のスタンスは度が過ぎると感じています。

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