LINEが需要申告期間中に仮条件を引き上げ
日米同時上場で「上場ゴールか?」などと既に騒がれているLINEのIPOですが、何と需要申告が始まった後で仮条件価格を引き上げてきました。
日経新聞によると「投資家の需要が強く」とのこと。
投資家の需要が強く、従来の2700~3200円から引き上げた。仮条件の上限ではじいた時価総額は6930億円となる。
出典:日経新聞「LINE、株式公開仮条件引き上げ 2900~3300円に」
また、当然ながら日米同時上場のため、ニューヨーク証券取引所(NYSE)での上場も仮条件を28.5〜32.5ドルへ引き上げています。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場する米預託証券の仮条件も28.5~32.5ドルに見直した。仮条件の引き上げにより、日米の株式市場から調達する金額は最大で約1300億円に膨らむ。
LINEは上場ゴールなのか?
LINEは実は、既存株主の売出が0%、公募100%で、IPOで調達する資金は全てLINEに入ってきます。
つまり、この段階では既存株主はびた一文手に入りません。
また、株式の9割近くを保有する親会社である韓国のNAVERをはじめ、多くの既存株主には180日間のロックアップがかかっており、180日間はLINE株を売却できないことになっています。
そのため、LINEの場合、IPOで創業者等の既存株主が売り抜けた後、業績の下方修正で株価暴落、という上場ゴールの黄金パターンとは異なります。
個人的には、こんなに資金調達しても3年、5年後の事業拡大は難しい・限定的だろうと考えており、そういう意味では「上場ゴール」とも思えますが、道徳的・倫理的に非難されるようなパターンではないと考えています。
参考記事:上場ゴールとは?(Honest IPO)
需要申告期間中の仮条件引き上げの影響
LINEが今回しでかしてくれた、需要申告期間中(ブックビルディング期間中)の仮条件引き上げの影響について調べてみました。
一言で表すと「既に指値で需要申告を行っている場合は、再度、需要申告し直す必要がある」です。
何て面倒なんでしょうか・・・
特に完全公平配分で人気の
・SMBC日興証券
・マネックス証券
で発生するため、影響範囲は大きそうです。
また、申告価格を指値ではなく成行で需要申告していても、みずほ証券などでは、抽選が行われるタイミングでの買付余力を念のため再確認する必要もありそうです。
Honest IPOの「LINE(3938)は仮条件変更で再度の需要申告が必要?!」で詳しく整理されています。
みなさん、ご注意ください。
関連記事:
・NISAはIPOで活用
・gumiと東芝で新日本監査法人がピンチ
・上場ゴールの次は配信ゴール
・ネットマーケティングのIPO中止理由の真相は?
・日経新聞が「IPO株投資 中長期でのリターン狙いも」を紹介したタイミングがイヤらしい
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