インデックス投資:投資信託とETFの違い
日経平均やTOPIXに連動した値動きを目指す「インデックス投資」ですが、現在、インデックス投資を行う方法には、
・投資信託
・ETF(Exchange Traded Fund)
の2つがあります。
ここで、「同じインデックス投資でも投資信託とETFのどちらが良いのか?儲かるのか?」と悩んだことはないでしょうか?
例えば、
・投資信託「ニッセイ日経225インデックスファンド」(ニッセイアセットマネジメント)
・ETF「日経225連動型上場投資信託」(野村アセットマネジメント)
の比較です。
「ニッセイ日経225インデックスファンド」は、SBI証券、楽天証券、SMBC日興証券、マネックス証券などで買付ランキング上位に入る人気インデックス型投資信託です。
対して、日経225連動型上場投資信託」(銘柄コード:1321)は、日経225連動ETFの中でも出来高の多いインデックス型ETFです。
どちらもインデックス投資の基本通り「日経225に連動した値動き」を示しますが、それぞれに特徴があり、メリット・デメリットも存在します。
つまり、同じ日経平均連動でも、投資信託とETFでは「違う」のです。
#厳密には、日経225に連動した値動きを目指した運用がされる投資信託です。
#さらにETFの場合、売方と買方の需給によって値動きすることと、値動きが10円単位の場合など、通常の投資信託よりも多少の乖離が発生しやすい性質があります。
投資信託とETFの「違い」
投資信託とETFの違いは複数あります。
1)取引タイミング
2)分配金の再投資可否
3)売買手数料
4)売買単位
1)取引タイミング
同じインデックス型でも投資信託とETFで最も異なるのが、この「取引タイミング」です。
投資信託は、通常、営業時間内に注文を出すとその日が「申込受付日」となります。この際、買いも売りも約定は「申込受付日の基準価額」で執行されます。
つまり、日中にいくら日経平均が上がっていても終値が前日比で下がっていれば、申込受付日の基準価額も下がってしまい、売りのタイミングとしては悪い日となります。
また、投資信託での最悪のパターンは、注文を出したのが営業時間後の場合、翌営業日が申込受付日となり、翌日の日経平均の動き次第で当該注文の約定金額が全く変わってしまうことです。(万一、営業時間後に売り注文を出して、翌日に日経平均が500円も下落したら、、、)
対して、ETFは、通常の現物株と同様にリアルタイムに取引が可能です。成行き注文も指し値注文も可能ですし、板も見れます。したがって、日経平均が下がったタイミングで買って、日経平均が上がったタイミングで売る、ということが自身の判断でリアルタイムに可能です。
この点はETFの大きな魅力です。
2)分配金の再投資可否
投資信託もETFも分配金が出ることがあります。(投資信託やETFの運用実績等により分配有無は異なります)
この分配金ですが、投資信託の場合「再投資」を選択可能ですが、ETFの場合、現金で受け取るだけで再投資は出来ません。
ETFで再投資を行うには、受け取った分配金を元手に再度当該ETFを買い付ける必要があります。
#ただし、分配金でETFの再投資を行うには、後述の「売買手数料」「売買単位」が大きな障害となります。
3)売買手数料
売買手数料にも差があります。
投資信託には「購入時の手数料が無料(=ノーロード)」のものが多く存在します。
先述の「ニッセイ日経225インデックスファンド」も、SBI証券、楽天証券、SMBC日興証券、マネックス証券でノーロードとなっています。
#2015年7月1日時点
また、ニッセイ日経225は、売り(=解約)の際も手数料はかかりませんし、信託財産留保も設定されていませんので、買いも売りも取引手数料が0円と考えて差し支えありません。
対して、ETFは、各証券会社が定める現物株式同様の手数料がかかります。現在の手数料水準だと、100万円分の購入で1,000円程度の手数料がかかります。
また、売りの際も同様に現物株式同様の手数料がかかるため、買いと売りのセットで考えると往復分の手数料が必要になります。
ただし、ノーロードの場合、売買手数料は投資信託の方に魅力があることが多いものの、現在の現物株式の売買手数料水準は随分下がっており、100万円で往復2,000円としても0.2%分でしかありません。
日経平均20,000円の0.2%は40円です。日経平均40円の上下は毎日していますので、利益を得る上では決して大きな要素とは考えていません。(むしろ、営業時間後の注文で約定する基準価額が分からないリスクの方が大きいです)
ただし、先述の「再投資」を考えると、ノーロードの投資信託が無料で再投資し続けてくれるのに対し、ETFは再投資の度に手数料が必要になってしまいます。
4)売買単位
売買単位にも投資信託とETFでは違いが存在します。
通常、投資信託は金額指定で買い付ける場合、1円単位で注文が可能です。
先述の「ニッセイ日経225インデックスファンド」をSBI証券で金額指定で購入する場合、「1万円以上1円単位」で買付可能です。
対してETFは1口単位での購入しか出来ません。
先述の「日経225連動型上場投資信託」の場合、2015年7月1日時点の終値が20,940円で売買単位が1口です。この場合、約21,000円の整数倍の金額でしか投資できません。
この点が問題になるのは、基本的には先述の「再投資」です。ETFの分配金を再投資しようと思っても分配金が少額だった場合、買付の最低金額に満たないため、分配金だけでは再投資が行えません。
一方、投資信託の再投資は分配金が数百円でも再投資可能です。
投資信託とETFの使い分け
投資信託とETFの違いをご紹介しましたが、それぞれの特徴を踏まえ、同じ指数に対するインデックス投資でも投資信託とETFを使い分けることが重要です。
例えば、月々数万円程度の「積立」には、ノーロード型の投資信託が適しています。ETFで毎月数万円購入していては、都度手数料がかかり無駄が発生します。
また、分配金の再投資を行いたい場合、投資信託が適していると言えます。ただし、インデックス型投資信託の場合、分配金は年1回の設定が多く、再投資にこだわる必要はないかもしれません。またインデックス型投資信託は分配金を出していない投信も多いのが現状です。
逆に、50万円や100万円以上のまとまった金額で買い付ける場合、ETFでリアルタイムに売買した方が平均取得単価も利益確定も確実に計算可能な分、メリットが大きいと考えられます。
なお、GMOクリック証券では、NISA口座での売買手数料が無料となっていますので、NISAでインデックス型ETFを購入すれば、売買手数料の面ではノーロード型と差はなくなります。
ただし、インデックス型の場合、分配金の再投資は余り考慮に入れなくても良いと考えているため(実際、人気の「ニッセイ日経225インデックスファンド」は過去5年間、分配金は出していません)、売買手数料の低いGMOクリック証券でETFを購入するのがベターかと思います。
#GMOクリック証券では、口座開設後3ヶ月間は現物取引手数料が0円となるキャンペーンを行っている時もあり、業界最安水準の手数料、NISA口座での売買手数料無料と組み合わせて非常に魅力的な手数料体系です。
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