GPIF(年金)の運用損失が3ヶ月で7.9兆円

 

テレビも含め各種ニュースで公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の7-9月期運用損益が7.9兆円の赤字に転落したと報道されています。

参考:日経新聞「GPIF、運用赤字7兆8899億円 7~9月期、足元は改善か」(外部リンク)

ネットの反応はネガティブな意見も多いようです。

ただ、GPIFが発表していますが「市場運用開始以降」の収益は
・年率2.79%
・累積収益額45兆4,927億円
です。

GPIFの運用状況

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)では、運用成績を公表しています。

最新版が11月30日に発表されており、この結果から今回の7.8兆円の損失報道に繋がっています。

この発表はネットから閲覧可能で「平成27年度第2四半期運用状況」(PDF)で確認可能です。

以下はその抜粋です。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の 平成27年度第2四半期運用状況

ご覧の通り、27年度第2四半期(2015年7月〜9月)では7.9兆円の損失を出していますが、平成13年〜平成27年9月の累積では、45.5兆円の黒字です。

ゼロ金利が続く中で年率換算2.79%の運用実績は安定した実績と言えるのではないでしょうか。

GPIFのリスク資産運用の是非

今回、大きな赤字を出したことで「公的年金の資産をリスク資産で運用することの是非」が問題視され始めている雰囲気(または問題視させようという意図)を感じています。

リスク資産での運用そのもの、またはその割合について、本当にこれだけのリスクを取って良いのか?という点は、もちろん議論の余地があります。

下図が運用資産別の構成割合ですが、ポートフォリオは、いわゆるバランス型の投資信託よりも「アクティブ」(リスクを取っている)な印象です。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産運用構成割合

一方で、140兆円近い運用資産の内、国内株式が20%となると、概算で30兆円近くの国内株式を保有していることになります。

11月30日付の東証1部上場企業の合計時価総額は、596兆2,850億円です。

つまり、東証1部上場企業の5%分をGPIFが保有している計算です。(大株主です!)

そして、東証1部の出来高(売買代金)は2兆円程度ですので、30兆円は15営業日分の出来高に相当します。

ここまで買い増した日本株を放出(売却)した際のインパクトを考えると、国内株式での資産運用割合を減らす事は相当難度が高い、と容易に想像が付きます。

日銀のETF買い入れと同様で、市場への影響が大き過ぎて出口戦略が描けません。(GPIFの場合、半永続的に資産運用を行う前提に立てば出口を考える必要はないのですが)

初めから分かっていた事実

買うのは簡単、売るのは困難。

そんな事は、市場参加者の誰もが初めから分かっており、それゆえにGPIFの国内株式での運用割合を上げると決まった時点で、国内株式は買われ、日経平均やTOPIXは上がり続けてきたわけです。

最終的には国策で利益を出させる

なお、最終的には、国策で利益を出させることも可能だろうとも思っています。

国内株式は、インフレを起こせば名目上の運用益は出ます。
#年金給付額の実質減額が必要ですが、、、

外国株式・外国債券は、円安誘導すれば評価額が上がります。(外交問題を無視すれば、円安誘導後に売却して円を買い戻せば良い)

安倍政権がアベノミクスという名称で行った政策そのものですね。

 

あるべき論も大事ですが(残念ながら?)既に引き返せない段階にいるのではないでしょうか、、、

不安を煽るだけの報道に意味はなく、現実的な議論をしないと無意味に思えてなりません。

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