クラウド会計ソフトfreeeは現金主義会計

 

Macでも使える会計ソフト探しの一環で、クラウド会計ソフトの「freee」を使ってみました。「全自動のクラウド型会計ソフト」として最近話題のサービスです。

先に結論から書くと、freeeは基本的に現金主義会計の発想になっており、発生主義会計で記帳を行いたい場合には向きません。同時に、借方、貸方の概念を持っている複式簿記に慣れている場合にも向きません。

現金主義会計と発生主義会計

現金主義会計は、売上・費用の計上を現金が実際に動いた際に行う会計原則です。つまり、売上は実際に現金を受け取った時(通常は預金口座へ振り込まれた時)、費用は実際に現金を支払った時(クレジット等の場合は、クレジット引き落とし時)に計上する事になります。

一方、発生主義会計は、売上・費用の計上を経済的事象の発生に基づいて行う会計原則です。例えば、10月分のサービス提供に対して発生した売上は実際の入金日とは関係なく10月に売上計上し、費用に関しても現金の支払日とは関係なく実際に購入した時(クレジット等の場合、引き落とし前でも購入時)に計上します。
#会計上は黒字でもキャッシュアウトしてしまう黒字倒産が起きるのは正にこのケースです。

一般的に企業の会計は発生主義会計に則ります。

 

freeeは現金主義会計

freeeの特徴(freeeがアピールしている点)は、預金口座やクレジットカードの明細を取り込むことで会計処理を自動化する点です。

預金口座の明細は、まさに現金の入出金そのものです。

freeeでも「取引を登録」から発生主義に基づく仕訳の入力も可能ですが、例えば下図の「支出」を発生主義で登録しようとすると借方の勘定科目を選択可能ですが、貸方は明示的に選択不可能です。(買掛金、未払金、未収金など)

freee

複式簿記の知識と発生主義会計は切っても切り離せない関係ですが、複式簿記に慣れた人にはfreeeの
・収入 or 支出
・未決済 or 決済完了
・借方または貸方のみの勘定科目を設定
という手法に馴染めないのではないでしょうか。

複式簿記の知識がない方、発生主義会計の必要性がない場合は、freeeでも十分と考えられますが、発生主義会計で処理したい場合には不向きと考えます。

また、freeeは「全自動のクラウド型会計」とアピールしていますが、それは、預金口座やクレジットカードなどの明細を取り込んだ分であり、現金(紙幣・貨幣そのもの)の取引は手動で入力する必要があります。
#レシートを読み込む家計簿アプリとのデータ連携で「自動化」することも可能とは言えますが。

freeeも一長一短であり、どのような会計原則に則るのか、実際の取引手段(現金による取引の多寡)などを検討の上のご利用をオススメします。


参考記事:
Macで使える会計ソフトがない!
クラウド会計ソフト「やよいの青色申告オンライン」を試してみた

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