個人型確定拠出年金の落とし穴(デメリット)

 

個人型確定拠出年金(401k)は節税効果抜群の資産運用方法です。

ただし、余り知られていないデメリットがあります。もはや「落とし穴」です。

非常に優れた制度だからこそ、しっかりとデメリットを把握しておきましょう。

個人型確定拠出年金のデメリット

個人型確定拠出年金のデメリットは、主に以下の3点です。

ポイントは3)の「特別法人税」です。これが「落とし穴」!

1)60歳になるまでは資産を取り出せない
2)継続的に手数料が発生する
3)特別法人税という資産残高に対する課税制度

多くの情報サイトでも1)2)については説明がされているので、ご存知の方は多いかと思いますので、既にご存知の方は飛ばして3)の特別法人税をご覧ください。

1)60歳になるまでは資産を取り出せない

個人型確定拠出年金は、毎月掛金を積み立てる形で資産運用を行います。

運用内容(何に投資するか)は自分で決定します。
#投資可能な商品(定期預金や投資信託など)は、金融機関によって異なります。

資産運用にはある程度の自由度があるのですが、「運用資産は60歳まで1円たりとも引き出せない」仕組みです。

つまり、通常の投資・資産運用とは異なり、流動性が全くありません。

例えば、将来、
・住宅ローン
・子供の学費
など、まとまった金額が必要になったとしても確定拠出年金の資産を取り崩して充てることは不可能です。

あくまでも一般論としてですが、将来設計が固まっていない20代、30代の内に加入するのは慎重になった方が良いかもしれません。

2)継続的に手数料が発生する

個人型確定拠出年金を運用するには、
・運営管理機関
・国民年金基金連合会
・事務委託先金融機関
に対して毎月継続的に手数料を支払う必要があります。

国民年金基金連合会・事務委託先金融機関に支払う手数料はどこの金融機関を選んでも共通です。

・国民年金基金連合会:103円/月
・事務委託先金融機関:64円/月

加えて運営管理機関(金融機関)への支払いは、金融機関によって異なりますが、例えば、
・SBI証券:0円(資産が50万円以上の場合)
・りそな銀行:316円/月
・野村證券:342円/月
・第一生命:355円/月
などです。

この場合、年間で以下の手数料が発生するということです。

金融機関 運営管理
機関
国民年金
連合会
事務委託先
金融機関
毎月の
合計手数料
年間の
合計手数料
SBI証券 0円 103円 64円 167円  2,004円
りそな銀行 316円 103円 64円 483円  5,796円
野村證券 342円 103円 64円 509円  6,108円
第一生命 355円 103円 64円 522円  6,264円

 

運用実績には一切関係なく年間5,000円程度の手数料を支払い続ける計算になります。

例えば、資産100万円の場合、約0.5%分が手数料として毎年失います。仮に100万円全てを元本保証商品の定期預金などで運用している場合、金利より手数料の方が高いなんて事態もありえます。

予定する運用資産が少ない、運用利回りの低い安定商品で運用する予定、などの場合は手数料が少ない金融機関を選ぶことをオススメします。

3)特別法人税という資産残高に対する課税制度

「特別法人税」の特徴は、資産残高に対して年1.173%が課されるという「資産課税」という点です。

例えば、運用資産が100万円だった場合、1.173%の11,730円が課税されます。

運用益の有無に関わらず資産を持っているだけで課税されてしまう税金です。

イメージとしては、投資信託の信託報酬に近いです。投資信託の運用パフォーマンスがマイナスでも信託報酬として資産残高の毎年1%程度が運営会社や販売会社などへ支払われるのに似ています。

確定拠出年金を定期預金で運用した場合等、運用利回り(利息)より特別法人税1.173%の方が確実に上回り、資産が毎年目減りしていく計算です。

このデメリットが一般に余り知られていのは理由があります。

特別法人税が知られていない理由

この特別法人税は、2017年3月まで凍結されています。

つまり制度としては存在するものの、実際には運用されていない税制ということです。

凍結期間を2017年3月までと記載しましたが、今まで何度も凍結期間が延長されてきており、個人型確定拠出年金の制度が始まってから一度も特別法人税による課税は行われていません。

なお、経済界からは税制改正要望書などを通して凍結延長ではなく完全撤廃を求める要望が出されています。

一部では、現在の銀行預金(特に定期預金)の金利が1.173%を超えない限り、特別法人税の凍結は延長され続けるという見解もあります。(#根拠があると言えるのか微妙な見解ですが)

実際、預金の金利が1.5%程度まで上昇しない限り、特別法人税による課税を行うのは無理があると考えますが、何の保証も存在せず、将来的にどうなるかは未知数です。

先述のデメリット1)の「60歳になるまでは資産を取り出せない」と相まって、万一、低金利の中で特別法人税の凍結が解除された場合、60歳になるまでの数十年間、税金によって毎年資産が目減りしていく危険性があります。

#あくまでも可能性ですが

 

個人型確定拠出年金は節税効果抜群の制度ですが、将来的な税制変更リスクも含めデメリットも存在するため、その点も理解した上で制度を活用しましょう。

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